太陽光発電と蓄電池、近年はセットでのご提案が非常に多くなっています。
そんな中で時折いただくご質問が、
「蓄電池は絶対つけないといけませんか?」というもの。
ご質問に答える形で今回の記事の結論を先に言うと、『必要なければ蓄電池はつけなくても大丈夫』です。
それでは、蓄電池のない太陽光発電を最大限活用する方法や、蓄電池と組み合わせた時のメリットなどを詳しく解説していきます。
この記事のタップできる目次
まずは太陽光発電と蓄電池について簡単にご説明します。
太陽光発電とは太陽の光を電気に変換して自宅で使ったり、電力会社に売ることができる自家発電設備です。
電気代の削減や電気を売り収入を得られることで高い人気があります。
また、近年は電気自動車との相性も良いことから、これからの住宅には必須とも言える設備です。
太陽光発電についてもっと詳しい説明を読みたい方はこちらをクリック。
蓄電池とは太陽光発電で発電した電気や、夜間の安い電気を一時的に蓄えておくことができる設備です。
太陽光発電と組み合わせて使用することでより高い節電効果が期待できます。
また、停電時にも蓄えておいた電気を使用でき、万が一夜間に停電が起こっても安心です。
必ずしも太陽光発電とセットで設置する必要はなく、太陽光発電の設置後に蓄電池を増設することも、太陽光発電を設置せずに蓄電池だけを設置することもできます。
太陽光発電は蓄電池なしでも設置できます。
もともと太陽光発電は発電した電気を自家消費した後、余った電気は電力会社に売電する仕組みです。
なので電気を蓄える蓄電池がなくても問題ありません。
また、反対に太陽光発電なしで蓄電池のみを設置することも可能です。
ここでは太陽光発電を単独設置した場合に、発電した電気を最大限活用する方法をご紹介します。
太陽光発電には発電した電気を自家消費してもなお余った電気は、電力会社に売ることができる『売電』という仕組みがあります。
なるべく昼間の電気使用を控え、たくさん売電することができれば、より多くの売電収入を得ることが可能です。
しかし、売電単価が固定されているのは10年間とあらかじめ決められています。
また、ご家庭の状況によっては昼間の電気使用を抑えられない場合もあるでしょう。
そのような場合は、下記からご紹介する方法がおすすめです。
ガス給湯器やガスコンロをお使いなら、それらをエコキュートやIHクッキングヒーターに変更してオール電化にすることで発電した電気を自家消費する割合が増やすことが可能です。
さらに、今まで支払っていたガス代が無くなるので、光熱費をより削減することができます。
ガス代が高いと感じているご家庭であれば特におすすめです。
オール電化と太陽光発電の組み合わせについて、より詳細な解説をこちらにご用意しています。
太陽光発電でつくった電気は、ほとんどの家電に使用することができます。
しかし、太陽光発電が電気をつくれるのは日中だけです。
洗濯機などの大型家電を日中に使用して、自家消費の割合を増やすと発電した電気を有効活用できます。
従来のガソリン車などから電気自動車に乗り換えれば、ガソリン代が必要なくなります。
その上、自宅に太陽光発電があれば電気自動車を充電する為の電気代もほとんどかかりません。
電気自動車に蓄えられた電気を自宅に供給できるようにするV2H機器やトライブリッドシステムも追加で導入することで、電気自動車を蓄電池のように使用することも可能です。
ここでは蓄電池なしの太陽光発電にできないことをご紹介します。
太陽光発電は電気を発電する設備なので、電気を蓄えることができません。
発電した電気を蓄えておくには蓄電池を導入する必要があります。
太陽光発電単体の場合、停電時に復旧できる電気はごくわずかです。
ほとんどの場合、コンセント1口分しか使用できません。
また、夜間には発電していないので停電時に電気を復旧することは不可能です。
家全体をバックアップしたり、夜間の停電にも対応させたい場合には、蓄電池を導入しましょう。
多くのご家庭で最も電気を消費するのはご家族全員が集まりやすい夕方以降です。
太陽光発電は日が沈むと発電できないので電気を削減したい時間帯に活躍することができません。
そのため、太陽光発電だけでは思ったような節電効果を得られない場合があります。
より電気代を削減したい場合は、蓄電池を検討するのがおすすめです。
太陽光発電の設置後、蓄電池を後付けすることもできます。
太陽光発電の設置年数によって、相性の良い蓄電池が異なりますので下記の項目を参考にしてください。
単機能型蓄電池とは発電した電気を変換するパワーコンディショナが太陽光発電用と蓄電池用にそれぞれ必要な蓄電池です。
一般的にパワーコンディショナの耐用年数は10~15年前後と言われています。
設置から5~6年程度の比較的新しいパワーコンディショナであればまだまだ電気を変換してくれる可能性が高いです。
なので、既設のパワーコンディショナをそのまま使用できる単機能型蓄電池をおすすめします。
ハイブリッド型蓄電池とは太陽光発電用と蓄電池用を兼ね備えたハイブリッドパワーコンディショナを使用する蓄電池のことです。
太陽光発電を設置されてから5年・10年経過したご自宅に単機能型蓄電池を設置すると、数年で太陽光発電用パワーコンディショナが故障する可能性があります。
ですので、パワーコンディショナが少し古くなってきたタイミングで蓄電池を後付けするのであれば、新たに新品のパワーコンディショナを設置するハイブリッド型蓄電池がおすすめです。
太陽光発電との相性バツグンのハイブリッド型蓄電池の解説ページはこちら。
太陽光発電と蓄電池を同時に設置するのであれば、パワーコンディショナが1台でいいハイブリッド型蓄電池が故障・交換のリスクも少なく効率的です。
太陽光発電は蓄電池なしでも設置可能ですが、ここでは蓄電池と組み合わせた時に得られるメリットもご紹介しておきます。
蓄電池を設置することで太陽光発電で発電した電気を蓄えることができます。
そのため、太陽光発電だけでは対応できない夜間の電力消費や、停電時にも発電した電気を使用することが可能です。
全負荷対応タイプの蓄電池を導入すれば、停電時にも家全体の電気をバックアップできます。
夜間であっても普段通り生活できるので高い安心感があり、人気のある蓄電池です。
全負荷対応蓄電池について、詳しくはこちらをご参考にください。
蓄電池は太陽光発電の電気を蓄えるだけでなく、電力会社から購入した電気も蓄えることが可能です。
電力会社の電力プランの中には昼間の電気代が高い代わりに、夜間の電気代が割安になる『深夜電力割引プラン』があります。
このプランと蓄電池を組み合わせれば、太陽光発電だけの場合に比べて、より大きな節電効果が期待できるでしょう。
今回は蓄電池を設置しない太陽光発電において、発電した電気を最大限活用する方法や、後付けする蓄電池はどんなものが良いか解説しました。
解説してきたように、蓄電池なしでも太陽光発電は問題なく発電できますので、必要なければ無理に設置しなくて大丈夫です。
また、太陽光発電の設置後に蓄電池を後付けすることも可能なのでご安心ください。
しかし、太陽光発電は蓄電池がなければ夜間の電気や停電時に対応できません。
より大きな節電効果や停電時にも普段通りの生活を求める場合は、蓄電池の設置を検討しましょう。