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給湯器には、いろいろな種類があります。中でも人気があるのは、「省エネ」かつ「エコ」な給湯器です。
光熱費が節約でき、かつ環境にやさしい給湯器に変更したいと考えている人もいるでしょう。エコキュートは、電気と空気熱によってお湯を沸かす、省エネでエコな給湯器です。2001年の発売以来、年々売り上げを伸ばし、2020年6月には出荷台数700万台を突破しました。
エコキュートに興味があり、一般的な電気温水器との違いを知りたいという人も多いことでしょう。この記事では、エコキュート独自の特徴やメリット、導入方法や導入する際の注意点を解説します。
はじめに、エコキュートと一般的な電気温水器との違いや独自の特徴、メリットなどを解説します。「どうして電気温水器と比べて省エネになるのか?」そのワケをお伝えします。
エコキュートは、正式名称を「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」といいます。大気中の熱エネルギーと電気を利用してお湯を沸かす仕組みの給湯器です。
大気中の熱エネルギーとは、温度を持った空気を指します。エコキュートは太陽の熱で温まった空気をヒートポンプ内に取り込み、熱交換機・圧縮機を通してさらに高温化します。その熱でお湯を沸かすのです。
圧縮されて高温化した空気は、給湯器内に給水された水と減圧で冷却され、再利用されます。この時、冷媒には二酸化炭素を用いることが環境にも優しいポイントです。
圧縮された大気熱で温められたお湯は、貯湯ユニットに溜められたのち、浴室やキッチンへと給湯されます。
一般的な電気温水器は、電気の力だけでお湯を沸かします。エコキュートは電気も使いますが、ヒートポンプで作られる空気熱のエネルギーは電気の3倍以上にもなります。
つまり、一般的な電気温水器より省エネで同じ量のお湯を沸かすことができるのです。沸かすお湯の量が多いほど、省エネを実感できるでしょう。CO2も大幅に削減できます。
現在は、自宅で太陽光発電を行っているご家庭も増えてきました。太陽光発電があれば、自宅で使用する電気を大幅に削減する事も可能です。エコキュートと太陽光発電を組み合わせれば、電気とガスを両方とも削減でき、さらに省エネです。
エコキュートとよく似た商品名に「エコジョーズ」や「エコフィール」があります。「エコジョーズ」はガスと排熱、「エコフィール」は石油と排熱を利用してお湯を沸かす給湯器です。
大気熱と排熱の違いはありますが、省エネ仕様で環境にやさしい給湯器であることは共通しています。なお、エコジョーズやエコフィールはヒートポンプがない分、エコキュートよりもコンパクトです。
しかし、電気と一緒にガスや石油を使う「エコジョーズ」「エコフィール」と比較すると、電気と大気を使うエコキュートは、この3つの中で最も省エネな給湯器と言えます。
エコキュートは、ヒートポンプ部分と貯湯タンクの2つから構成されています。給水されタンクに溜められた水は、ヒートポンプ部分に送られて、水熱交換機で電気と圧縮された大気熱で沸かされてお湯となり、また貯湯タンクに溜められます。
また、圧縮されて高温になった空気は膨張弁で減圧され、水で冷却され温度を下げます。そしてまた、圧縮されて高温になります。
電気温水器に比べるとヒートポンプ部分が増える分場所をとるため、電気温水器からエコキュートへ交換する場合は、設置場所のためにより広い場所が必要です。
ここでは、エコキュートを導入するメリットの一例を解説します。どのようなメリットがあるのでしょうか?
エコキュートは電気と大気熱でお湯を沸かすため、従来の電気温水器と比べて光熱費を安くすることができます。大量のお湯を使うご家庭や施設ほど、ランニングコストの安さを実感できるでしょう。
太陽光発電や深夜電力でお湯を沸かせば、さらに光熱費を節約できます。また、同量のお湯を沸かした場合直圧式(瞬間式)のガス給湯器と比べても光熱費が安くなります。契約しているガス会社や電力会社、プランによって異なりますが、3分の1から4分の1程度まで節約が可能です。
エコキュートを導入する場合、本体と設置工事費を併せると30万~50万円程度かかります。電気温水器の導入費用が17万~35万円程度が相場なので、2倍以上かかる計算です。「エコキュートを導入したいけれど、価格が高いので躊躇している」という方もいるでしょう。
自治体によっては、エコキュートの設置に補助金が出るところもあります。補助金の額は自治体によって異なりますが、1~2万円から工事費の10%程度というところが多いようです。費用の補助が出れば導入もしやすくなります。詳しくは、お住まいの自治体のホームページなどで確認してください。
地震や台風などで電気・ガス・水道が止まると多くの給湯器が使えなくなります。数日お湯が使えずに苦労した経験がある方もいるのではないでしょうか。
エコキュートは貯湯式給湯器です。電気・ガス・水道が止まっても、貯湯タンクに溜まっている分はお湯や水が使えます。エコキュートのタンクは370~560Lあるため、満タンならば4人家族で10日以上は水を使い続けられます。ただし、エコキュート内のお湯は飲用に適しません。トイレや入浴、皿洗いなどの生活用水として使いましょう。
エコキュートはメリットもありますが、導入する際の注意点も確認しておきましょう。ここでは、その一例を紹介します。
エコキュートの補助金の額は自治体によって異なります。必ず事前に確認しましょう。また、補助金が交付されるのは購入後です。購入前に受け取ることはできないので注意しましょう。
分からないことがある場合は、自治体の担当課、もしくはエコキュートを取り扱っている販売店に問い合わせててください。
前述したように、エコキュートはヒートポンプ部分と貯湯タンク部分で構成されています。ですから、ほかの給湯器より設置場所に広さが必要です。
エコキュートの貯湯タンクは屋内にも設置が可能なため、屋外に十分な設置場所がない場合屋内設置を進められることもあります。しかし、給湯タンクもそれなりの大きさがあるため屋内が狭くなるので、よく考えて設置場所を決めましょう。
エコキュートは大気熱が高いほど光熱費を節約できます。反対に、大気熱が低ければ圧縮しても温度が上がらないため電気代が余計にかかります。また、一般的なエコキュートは-10℃以下の環境では使用不可です。
寒冷地仕様のエコキュートは-25℃まで対応できます。しかし、貯湯タンクは室内に設置しなければならず、温暖な地域で使用する場合と比べると光熱費がかかります。また、寒冷地仕様のエコキュートは一般的なエコキュートより高額です。なお、寒冷地仕様のエコキュートも-25℃以下では使用できません。
東北や北海道といった寒冷地は、冬季になると-10℃以下になることも珍しくないでしょう。エコキュートを設置してもメリットが感じられないこともあります。
エコキュートの貯湯タンクには水垢が溜まるため、年に2~3度のお手入れが必要です。現在販売されている機種には簡単にお手入れができるシステムも搭載されていますが、タンクのお湯を1割以下に調整する必要があり、少々手間がかかります。
エコキュートは電気料金が安い深夜にお湯を沸かします。そのため夜間にコンプレッサーが作動し、低周波の音を出します。決して大きな音ではありませんが、静かな住宅街では騒音問題となる可能性もあるでしょう。
低周波音は遠くまで響くので、隣家との距離が近い場合は隣家から苦情が来ることがあります。静かな住宅街で、隣家との距離が近い場所にエコキュートを設置するときは、業者と相談して対策を立てましょう。
ここでは、エコキュートが販売されている場所や選び方のコツを解説します。ぜひ、参考にしてください。
エコキュートを販売している場所は、以下のようなところです。
・家電量販店
・ホームセンター
・住宅設備機器会社
・ネットショップ
店ごとの競争も激しくなっているので、値引き合戦なども行われています。また、店舗が近くにない場合もインターネットショップを利用すれば全国から注文が可能です。
エコキュートを販売している業者は、独自の「ウリ」を持っているところもあります。
例えば「他社より1円でも高い場合は値引きします」と宣伝している業者もあるでしょう。
高価なエコキュートをお手頃価格で購入できるのは魅力です。しかしながら、エコキュートの設置工事に不具合があれば水漏れなどの事故につながります。場合によっては家全体が傷んでしまうこともあるでしょう。
エコキュートを購入する業者は、実績で選ぶのがおすすめです。工事の経験が豊富であれば、様々なケースに対応してくるでしょう。
また、アフターフォローがあるかどうかも判断基準にしましょう。エコキュートは貯湯式給湯器なので、タンク部分が破損すると大規模な水漏れなどの被害が起きることがあります。また、エコキュートは本体の値段が高い分、修理費も高額になりがちです。
有償でもアフターフォローが充実している業者を選ぶのがおすすめです。
今回は、エコキュートの仕組みやメリット、設置する際の注意点や設置方法などを紹介しました。「省エネ」や「エコ」が注目される中、エコキュートは光熱費が安くなる上、CO2の排出量も抑えられる点が魅力です。
また、自治体から補助金が出る場合は「思い切って導入してみよう」と決心する方もいるでしょう。
しかし、エコキュートは寒冷地や静かな住宅街など一部設置に適さない場所もあります。設置を希望する場合は、業者とよく相談して決めてください。