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太陽光発電はメンテナンスフリーと言われるほど、故障や不具合が少ないことで知られています。
しかし、一切のメンテナンスをしないまま使用し続けてしまうと、発電量の低下などの不具合を引き起こす可能性が高くなることはご存じでしょうか?
今回はそんな太陽光発電のメンテナンスについて、わかりやすく徹底解説!
現在、太陽光発電をご検討中の方や、既に設置されている方も、ぜひ最後までお読みください。
また、太陽光発電についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
太陽光発電は、パネルやパワーコンディショナに加えて、架台や複数の電気配線など多くの部材で構成されています。
屋外での使用が想定されているため、耐候性も高く、故障や不具合の頻度はそこまで高くはありません。
しかし、2017年に改正FIT法にて、産業用太陽光発電では年2回以上の保守点検や発電設備の最終的な処分までを含めた事業計画を提出することが義務化されています。
この事業計画が正しく機能していない場合は、FIT認定の取消処分を受ける可能性もあり、保守点検は非常に重要な要素です。
また、住宅用太陽光発電においても4年に1度程度の自主点検が推奨されています。
参考:JPEA 太陽光発電協会「太陽光発電システム保守点検ガイドライン 〔日本電機工業会・太陽光発電協会 技術資料〕(第2版)」
太陽光発電を定期的にメンテナンスする理由は2つあります。
まず1つ目は、発電効率の低下を防ぐこと。
2つ目は、故障や不具合を早期に発見し、事故を防ぐためです。
住宅用太陽光発電ではメンテナンスの義務はありませんが、上記のように発電効率の低下や故障などのリスクを避けるために、点検を実施することが推奨されています。
以下の項目でより詳しく解説していきます。
太陽光発電は経年劣化で毎年コンマ数パーセントずつ発電効率が低下していきます。
これについてはメンテナンスでは防ぐことはできません。
しかし、発電効率は経年劣化以外にも低下することがあります。
たとえば、太陽光パネル表面の汚れやパワーコンディショナの通気口が埃などで詰まるのが原因となって発電効率が低下します。
これらは、原因となっている汚れや埃をきれいに取り除くことで改善可能です。
このように定期的なメンテナンスを実施することで発電効率の低下を防ぐことができます。
太陽光発電は非常に故障や破損などが起こりにくい、信頼性のある発電装置です。
しかし、全ての太陽光発電で故障や破損などが起こらないわけではありません。
とくに、発電装置であることから万が一の事故の際には、火災や感電などの重大な事故に発展する可能性は十分に考えられます。
たとえば、太陽光パネル同士を繋げているケーブルやパワーコンディショナと接続している配線などの破損を放置し続けるのはとても危険です。
また、太陽光パネルを固定している架台の破損により、屋根から太陽光パネルが落下してしまうことも考えられます。
加えて、鳥の糞などで太陽光パネルの一部分だけが影になってしまうとホットスポットができる可能性があります。
ホットスポットとは、太陽光パネルの一部分が発電しなくなることで、その周辺が発熱してしまう現象です。
ホットスポットは発電効率を著しく低下させるだけでなく、パネルを破損させ、最悪のケースでは火災の原因となります。
そのため、たとえメンテナンスの義務がない住宅用太陽光発電であったとしても定期的な自主点検を実施することが重要です。
太陽光発電において、メンテナンスが重要である点は既にお伝えしたとおりです。
こちらの項目ではどのようなメンテナンスが必要なのかを解説しています。
太陽光発電の発電効率低下を防ぎ、安全に運用し続けるために必要なメンテナンスは大きく分けて以下の3つがあります。
それぞれを分かりやすく解説していきます。
太陽光発電のメンテナンスとして、専門的な道具を使わずに実施できるのが目視による点検です。
目視による点検では主に以下の項目を確認します。
パワーコンディショナの汚れなどは、専門業者でなくても取扱説明書の指示に従うことで綺麗にできるでしょう。
しかし、パネルや架台は屋根など高所での点検となるため、専門業者に点検を依頼することを強くおすすめします。
これらのメンテナンスで異常が見つかった際には、清掃や該当する部品の交換などを行います。
電圧など太陽光発電の発電量に関係のある数値を専用の機器を使って測定していきます。
この作業は危険を伴うため、専門業者による作業が必要です。
測定した電圧が異常値を示す場合、影や汚れによるホットスポットや、配線の破損などが考えられます。
異常が発見された場合、パネルや配線の交換が必要となります。
太陽光パネル表面の清掃やコーティングを行うことで、汚れによるホットスポットの発生や発電効率の低下を防ぎます。
一般的な太陽光パネルは出荷段階から防汚コーティングが施されていますが、全ての汚れを完全にシャットアウトできるわけではありません。
そのため、表面の汚れを落とす清掃作業や、より汚れを落としやすくするコーティングを施工することをオススメしています。
このようなメンテナンスを定期的に続けることで太陽光パネルの劣化や、発電効率の低下をより軽減することが可能です。
こちらの項目では太陽光発電のメンテナンスに必要な費用を解説します。
太陽光発電のメンテナンスは、高所での作業や電気工事の専門的な知識が必要なため、ある程度の費用は必要です。
また、点検の結果、部品の交換や修理が必要となるケースもあります。
その交換・修理費用も併せて解説します。
太陽光発電の劣化や、発電効率の低下をより軽減するには、定期的な点検が不可欠です。
この点検にかかる費用は、一般的に平均で約5万円前後が必要とされています。
これには太陽光パネルや架台、ケーブルやパワーコンディショナなど、太陽光発電全般のチェックやメンテナンス作業が含まれます。
しかし、これらの点検作業には高所に設置されたパネルへのアクセスが必要であり、多くの場合、足場の設置が必要です。
この足場代には別途費用が発生し、平均で約20万円前後となります。
家の大きさにより足場の費用は変動します。
しかし、極端に足場費用が安い場合、施工品質が悪い場合もあり、危険です。
費用だけでなく、信頼できる会社であるかどうかも含めて検討しましょう。
このように、足場設置にかかる費用は、点検全体の費用を大きく左右する要因です。
一方で、近年では、ドローンを使用した空撮によるメンテナンス方法も注目を集めています。
ドローンによるメンテナンスは、足場を設置する必要がなく、費用も平均で約2万円前後と大幅に削減することが可能です。
しかし、実際に屋根に登って目視するメンテナンス方法とは違い、細かい部分までは確認することはできません。
これらのメリット・デメリットを念頭において、足場を設営するか、ドローンによる空撮にするかを判断してください。
太陽光発電の部品交換や修理に関わる費用は、該当する備品や機器によって大きく変動します。
重要な点として、それぞれの部品・機器が保証期間内にあり、通常の使用状況で故障や不具合が発生した場合、多くのメーカーは無償で修理や交換を行ってくれます。
保証期間はほとんどのメーカーが10年以上の長期保証を採用しており、太陽光発電を設置する上で大きな安心材料です。
しかし、保証期間を過ぎている場合や、故意による損傷、保証対象外の事由で発生した故障・不具合については、修理や交換にかかる費用は設置者の自己負担となります。
この時、実際にかかる費用は、故障している部品や修理の必要な範囲によって大きく異なります。
例えば、ケーブルの交換が必要な場合は比較的コストが低く、約5万円以下で済むことも多いです。
しかし、パワーコンディショナのような太陽光発電の中心となる機器の交換が必要になると、費用は30万円以上にも上ることがあります。
そのため、保証期間が終了する前に、しっかりとしたメンテナンスを受けるのがおすすめです。
このようなメンテナンスを通じて、軽微な問題を早期に発見し、大きな修理や交換が必要になる前に対処することが、長期的なコスト削減につながります。
また、メンテナンスの専門業者と良好な関係を築くことで、必要な時に迅速な対応してもらえるでしょう。
太陽光発電は30年以上の長期にわたって発電を期待できる、非常に寿命の長い再生可能エネルギーの1つです。
その本来の性能を長期的に維持管理するには、メンテナンスの費用も考慮した計画的な運用が求められます。
太陽光発電の寿命について、詳しくはこちらの記事で解説しています。
今回は太陽光発電のメンテナンスについて詳しく解説しました。
太陽光発電はメンテナンスフリーと言われるほど、故障や不具合に起こりにくい安定した発電設備です。
しかし、太陽光発電を長期間運用することを考えると、全くのノーメンテナンスで運用し続けるのは得策とは言えないでしょう。
表面の汚れや破損、電圧の変化などを定期的に点検することで、発電効率の低下を防ぐだけでなく、万が一の事故を防ぐことにも繋がるのです。
太陽光発電のメンテナンスは高所での作業や電気の専門知識が必要となります。
そのため、メンテナンスの際には自身で屋根に登ったりはせず、専門業者に点検を依頼するようにしましょう。
また、点検自体に必要な費用は平均5万円前後が一般的です。
あまりにも高額な点検費用を提示された場合は、悪質な業者に可能性もあるので注意が必要です。
太陽光発電は適正な価格でメンテナンスを行うことで、より長く安全に運用することができます。