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太陽光発電に含まれる有害物質にはどんなものがある?本当に安全?健康や環境への影響はどの程度あるか。

太陽光発電に含まれる有害物質にはどんなものがある?健康や環境への影響はどの程度あるのか。

太陽光発電に有害物質が含まれていると聞いて、不安になったことはありませんか?

この記事を作成している私自身も営業時代に有害物質の件はビックリしてたくさん調べた記憶があります。

そこで、まず結論からお伝えします。

太陽光発電には少しだけ有害物質が含まれていますが、含まれているのはテレビやスマートフォンと同じなので、心配する必要はありません。

身近にある製品と変わりないなら、安心ですよね。

その僅かに含まれる有害物質もしっかりと処理するフローが普及してきているので、今後ますます太陽光発電を導入するご家庭は増えていくでしょう。

では、太陽光発電にはどのような有害物質が含まれているのか、どのような処理方法があるのか、本当に太陽光発電は安全なのかを今回は解説していきます。

太陽光発電とは

太陽光発電とは

太陽光発電とは再生可能エネルギーである太陽の光で電気を発電する環境に優しい発電方法です。

自宅の屋根などに設置するだけで手軽に自家発電ができるので人気があります。

また、発電した電気はご自宅で消費するだけでなく、電力会社に売電することができるのも人気の一つです。

海外では新築時に太陽光発電の設置を義務化している地域もあり、その環境効果は見過ごせないものがあります。

今後、家庭用蓄電池やEV・V2Hの普及により更に太陽光発電の価値は高まっていくでしょう。

太陽光発電についてはこちらで詳しく解説しています。

太陽光発電のメリット

太陽光発電を設置する上でどのようなメリットがあるのでしょうか。

ここでは以下のような太陽光発電のメリットをご紹介します。

太陽光発電の訪問販売に注意

いきなり太陽光発電の営業マンが訪問してきたことはありませんか?

約束もしていないのに訪問してくる業者とは決して契約してはいけません。

また、最初の見積もり金額から大幅に値引きしてくるような業者も信用できませんよね?

訪問販売の太陽光発電は大幅に値引きされたとしても、適正価格よりもかなり高額な場合が多いです。

もしも見積もりを渡された場合は適正価格であるか確認しましょう。

太陽光発電・蓄電池の訪問販売の危険性について詳しくはこちらの記事も参考にしてください。

太陽光発電の適正価格

太陽光発電の適正価格は1kWあたりの単価(kW単価)で表します。

気になる太陽光発電の適正価格は1kWあたり、約250,000円前後です。

見積り金額から1kWあたりの単価を確認する場合、下記のように求めます。

太陽光発電の見積り金額 ÷ 太陽光発電の発電容量 = kW単価

例えば、発電容量6kWの太陽光発電の見積り金額が1,500,000円であれば、

1,500,000円 ÷ 6kW = 250,000円/kw

以上のようになり、適正価格ぴったりでの見積りだと分かります。

メーカーや設置枚数、設置工法によってはある程度前後しますが、それでも適正価格で販売している業者であれば20万円代から外れるようなことはないでしょう。

太陽光発電の適正価格について、こちらの記事でより詳しく解説しています。

太陽光パネルに含まれる有害物質について

太陽光パネルに含まれる有害物質について

多くのメリットがある太陽光発電ですが、太陽光パネルに僅かに含有されている有害物質を気にされている方も多くいらっしゃいます。

しかし、太陽光パネルに含まれる有害物質は、一般家庭に普及している家電製品にも同様に含まれているものばかりです。

ですので、適切な使用・適切な廃棄処理を行えば、その安全性は確保されています。

反対に、今お持ちのスマートフォンやパソコンも誤った使用や誤った廃棄処理をしてしまうと有害物質による悪影響が考えられます。

太陽光発電だけが特別に危険だというわけでは決してありません。

太陽電池セルの種類

太陽光パネルを構成している太陽電池セルには大きく分けて以下の3種類があり、太陽電池セルの種類によって含有されている有害物質が異なります。

ただ、以下で紹介する鉛とアンチモンは太陽電池セルの種類に限らず含有されている可能性があります。

どんな有害物質が含まれているのか

では、太陽光発電にはどのような有害物質が含まれているのでしょうか。

太陽光発電のどの部分に有害物質が含まれるのかも一緒に解説します。

太陽光パネル表面のガラスに含まれるアンチモン

太陽光パネル表面のガラスに含まれるアンチモン

アンチモンとはガラス内の気泡を除去する為に製造過程で添加される物質です。

多くのガラス製品に使用されており、太陽光パネル表面のガラスにも使用されています。

また、他にもプラスティックや繊維、樹脂などの難燃助剤としても添加されています。

添加されたあとの状態・濃度であれば人体・環境への影響はありません。

ただ、以前までアンチモンを含む製品はリサイクルが難しく埋立廃棄されており、将来的な環境への影響が懸念されていました。

しかし、最近になってガラスに含有されるアンチモンを無害化する技術が確立し、太陽光パネルなどアンチモンを含むガラス製品のリサイクルが始まっています。

参考:株式会社鳥取再資源化研究所「太陽光パネルガラスのリサイクル技術

太陽光パネルを構成する小さな太陽光電池セルに有害物質である鉛が含まれている可能性がある

太陽光パネルを構成する小さな太陽光電池セルに有害物質である鉛が含まれている可能性がある

太陽光パネルは太陽電池セルと呼ばれる発電素子を数十枚組み合わせて構成されています。

セルには細長い白色や銀色の電極が配線されており、その電極に少量ながら含まれている可能性があるのがハンダ付けの際に添加されている「鉛」です。

鉛は長期間の摂取や大量の摂取で人体に悪影響を及ぼします。

とはいえ、有鉛ハンダは一般的な家電や電子機器にも広く使用されているもので、再度ハンダを溶かすなどをしなければ特に危険はありません。

また、2000年代の世界的な鉛規制により2010年代以降は無鉛ハンダにシフトしつつあり、鉛の被害について過度に心配する必要はありません。

シリコン系太陽電池セルに含まれているその他の有害物質

シリコン系太陽電池セルに含まれているその他の有害物質

日本で設置される太陽光パネルの95%以上がこのシリコン系太陽電池セルを使用しています。

シリコン系太陽電池セルには上記で紹介した、電極に含まれている可能性のある鉛と、ガラスに含まれるアンチモン以外の有害物質は使用されていません。

参考:経済産業省『「次世代型太陽電池の開発」プロジェクトに関する研究開発・社会実装計画(案)の概要

化合物系太陽電池セルに含まれているその他の有害物質

化合物系太陽電池セルに含まれているその他の有害物質

化合物系太陽電池セルの日本でのシェア率は5%以下と非常に低くなっています。

とはいえ、以下のような有害物質が含まれている可能性がありますので、廃棄の際にはメーカーや自治体の指示に従う必要があります。

一部に含有されている可能性のある有害物質:カドミウム

カドミウムは4大公害病の1つであるイタイイタイ病の原因となる有害物質で、化合物系太陽電池セルの一つであるCdTe(テルル化カドミウム)太陽電池セルに含まれています。

日本においてはほぼ流通していない太陽電池セルです。

その太陽電池セルを使用する太陽光パネルはアメリカの大手太陽光パネルメーカーであるファースト・ソーラー社が製造・販売しています。

また、ファースト・ソーラー社では使用後のパネルを無償で回収・リサイクルする制度でカドミウムの流出を防いでいます。

一部に含有されている可能性のある有害物質:セレン

セレンは土壌や特定の食品に含まれるミネラルであり、私達の身体に必要な必須ミネラルの一つです。

セレンの摂取量が不足すると心不全などの原因となります。

また、がん予防や老化予防の効果が期待できるとされ注目されています。

その反面、必要量と中毒量の差が比較的少なく、過剰に摂取すると下痢や嘔吐などの中毒症状を引き起こすので注意が必要です。

そのセレンが含まれるのは化合物系太陽電池セルの一つであるCIS/CIGS(銅(Cu)/インジウム(In)/セレン(Se)/ガリウム(Ga))太陽電池セルです。

CIS/CIGS太陽電池セルは日本では主にソーラーフロンティア社が販売していますが、シェア率は5%以下となっています。

参考:大塚製薬「栄養教養学部 / カラダ整え学科 セレン

一部に含有されている可能性のある有害物質:ヒ素

ヒ素は自然界にも存在する物質であり、医薬品や半導体の原料として現在でも広く使用されています。

しかし、大量に摂取することで下痢や嘔吐などの中毒症状を引き起こすことが知られています。

現状、ヒ素を含んだGaAs(ガリウム(Ga)と砒素(As))太陽電池セルは製造コストが非常に高く、人工衛星など限られた用途にしか使用されていません。

そのため、GaAs太陽電池セルを使用した太陽光パネルは一般には流通していません。

参考:ファン!ファン!JAXA!「宇宙用の太陽電池は地上用のものとどこが違うのですか?

有機物系太陽電池セルに含まれているその他の有害物質

現状、有機物系太陽電池セルは研究・開発段階であり、一般には流通していません。

また、シリコン系太陽電池セルと同様に電極に含まれる可能性のある鉛とガラスに含まれるアンチモン以外に人体や環境に有害な物質は含まれていません。

太陽光発電に含有される有害物質はごく僅か

以上のように太陽光発電には確かに有害物質が使用されています。

しかし、これまで報道されてきた内容やそれによるイメージとは少し乖離があったのではないでしょうか。

実際は、日本で流通している太陽光発電のほとんどは工業製品において一般的な有害物質が僅かに含まれているに過ぎません。

太陽光発電の破棄と再利用

太陽光発電の破棄と再利用

太陽光発電は耐用年数が長く、長期間使用できるものになります。

とはいえ、永久に使用できるわけでもなく、破損やリフォームなど外的要因で撤去することもあるでしょう。

そのような場合には、設置業者やメーカーへ相談し、適切な廃棄処理を行う必要があります。

太陽光パネルの多くは埋立廃棄されますが、将来的な環境への影響は無視できません。

そのような背景から、最近では使用済み太陽光パネルを買い取り、適切な処理をしてから中古パネルとして販売するというリユース事業「太陽光発電リサイクルセンター」に弊社の取り扱いメーカーの一つであるネクストエナジー・アンド・リソース社が取り組んでいます。

また、先にも紹介したように太陽光パネルのガラスはアンチモンが含まれることでリサイクルが困難でしたが、アンチモンを無害化しつつ高機能なガラス発泡剤「ポーラスα」としてリサイクルすることが株式会社鳥取再資源化研究所の素晴らしい技術により可能となりました。

このような太陽光パネルをリユース・リサイクルする取り組みがより普及すれば、太陽光発電はより環境問題に貢献することができるでしょう。

太陽光発電の耐用年数についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

参考:太陽光発電リサイクルセンター
参考:株式会社鳥取再資源化研究所

太陽光発電は本当に危険か

太陽光発電は本当に危険か

太陽光発電には微量の有害物質が含まれていますが、それをもって危険だとは言えないでしょう。

含まれる有害物質は工業製品としては一般的なものであり、その含有量も僅かだからです。

また、太陽光パネルの構造的にも太陽光電池セルに含まれる有害物質が漏れ出るような状況は起こりにくいと言えます。

太陽光パネルの構造

太陽光パネルの構造は上から
フレーム
強化ガラス
封止材
太陽電池セル
封止材
バックシート
ジャンクションボックス

太陽光パネルを上からパーツごとに分類すると以下のようになります。

このように太陽電池セルは2つの封止材によってラミネートされ、その前後にも強化ガラスとバックシートが配されており、発電の肝となる太陽電池セルを強固に保護しています。

もちろん、破損したパネルを何年間も放置したり、適切な処理を行わずに廃棄すれば、有害物質が漏れ出してくる危険性はあります。

しかし、通常の使用の範囲で、適切に処理すればその安全性は確保されています。

これはスマートフォンや家電にも言えることですので、それらを処分する際にも重要なことです。

太陽光発電に対して行ってはいけないこと

太陽光発電はメーカーや行政の指示通りに処理すれば安全であることは何度もお伝えした通りですが、逆にどのような行為が危険なのでしょう。

例えば、以下のような行為は健康リスク・環境リスクを高めるので絶対に行わないでください。

破損したパネルを何年も放置する

太陽電池セルは表面の強化ガラスなどで保護されていますが、その強化ガラスが割れるなどで破損しているのを発見した場合は、放置せずにメーカーや設置業者に相談する必要があります。

ガラスの破損した部位から雨水や外気などが入り込み、封止材が劣化することがあります。

また、封止材が劣化することで太陽電池セルにもダメージが及ぶことも考えられます。

長期間そのような状態が続くことで、通常であれば漏れる心配のない有害物質が外部に漏れ出す可能性が高まるのです。

太陽光パネルを自身で焼却処分する

太陽光パネルを自身で焼却処分するのは誤った処分方法の一つです。

本来であればリサイクルできる銅などの有価物まで一緒に処分してしまい、将来的な環境負荷を高める原因となります。

太陽光パネルを処分する際には、必ずメーカーや自治体の指示に従いましょう。

太陽光発電に含まれる有害物質について、過度に心配する必要はありません

有害物質自体は液晶テレビやスマートフォンなどの身近な工業製品にも含まれています。

太陽光発電にも有害物質は含まれていますが、その含有量はごく僅かであり、その他の工業製品と何ら変わりありません。

ですので、太陽光発電に含まれる有害物質について、過度に心配する必要はないでしょう。

むしろ、太陽光発電自体が危険なのではなく、誤った取り扱い・廃棄処理が健康リスク・環境リスクを高めます。

そのため、太陽光発電を設置する際には、適切な取り扱い・廃棄処理の知見のある業者を選択するべきです。

やはり、設置業者の中にもまだまだそういった知識の少ない業者が存在しているので注意する必要があります。

エコ電気サービスでは適正価格・適切な設置をお約束するだけでなく、今回ご紹介したような太陽光発電などの知識を豊富に蓄え、設置された後のアフターフォローはもちろん環境リスクを下げる取り組みにも力を注いでいますので、ぜひお気軽にご相談ください。

今後のスマートライフを全力でサポート致します。

参考:一般社団法人太陽光発電協会「使用済太陽電池モジュールの適正処理に資する情報提供のガイドライン

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