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卒FITとは、再生可能エネルギーの固定価格買取制度、通称FITの期間が終了することを意味しています。
卒FITによって、太陽光発電の余剰電力の買取単価が大幅にさがることで、家庭の光熱費に大きな影響が出る可能性があるため、戦々恐々としている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、卒FITに関する基本情報や家庭への影響、卒FIT後の選択肢などを解説していきます。
これから家庭用太陽光発電を検討される方や、卒FIT後の太陽光発電の活用方法にご興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
ここからはまず、卒FITの基本情報などを中心にご紹介していきます。
FIT制度についてよく知らない方は、ぜひ参考にしてみてください。
FIT制度が分かると、日本国内の電気代が高騰している理由も分かるようになるはずです。
FITとは再生可能エネルギーの固定価格買取制度の略称で、再生可能エネルギーを使用した発電を推進するために導入された制度です。
日本国内での発電かつ太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスなどを利用した発電に対し、一定期間、一定価格で電力を買い取ることを電力会社に義務付けています。
一定期間、価格が固定されることで収入が安定しやすくなり、事業者や一般家庭が再生可能エネルギーに参入しやすくなりました。
結果的に、日本の持続可能エネルギー源の普及を促進しており、2012年のFIT導入以降、一般家庭の太陽光発電導入は増加したのです。
そして、卒FITとはFITを卒業するという意味で、再生可能エネルギー発電の固定価格買取制度が終了するまでの期間を指します。
FIT制度が適用されるのは最大で20年間(家庭用は10年間)で、その間は市場価格と比べて高単価で電力を買い取ってもらえますが、その期間が終了すると通常の価格での売電に変更されます。
そのため、卒FIT後には発電した電力の自家消費比率を高めるなどの対策が必要になります。
FITによって電力会社に電気を売電できる単価は年度ごとに定められており、2024年度は1kWhあたり16円、2025年度は1kWhあたり15円と発表されています。
これらの単価は10年のFIT期間が満了すると、10円前後まで安くなります。
上記の基本情報の通り、卒FITは住宅用太陽光発電に大きく関係しています。
住宅用太陽光発電による電力は、発電容量が10kw未満であれば、高単価での買取価格は10年間までと定められています。
10年が経過すると売買価格や条件が変わってしまうので、卒FIT後も太陽光発電で安定的な収入を得たい場合は、高単価で買い取ってもらえる事業者に乗り換えることが重要です。
複数の業者でプラン内容や売買単価を比較し、より好条件な事業者を選びましょう。
卒FITの影響としては、売電単価の低下や再エネ賦課金の増加などが考えられます。
卒FIT後の選択肢には、電力会社との契約を継続して売買を行うルートがありますが、FIT制度期間中の単価と比較すると、買取価格は差ほど期待できません。
ほとんどの場合、FIT制度中から卒FIT後には、単価は大幅に下がります。
例えば、2011年〜2012年度までに太陽光発電システムを設置した場合、売電単価は42円/kWhでしたが、卒FIT後の大手電力会社プランでは8円/kWh前後になっていました。
つまり、卒FIT後の売電収入は約80%減少したことになります。
また、卒FIT後には売電先を自由に選択できるため、売電先を変更することも可能です。
近年では多くの新電力会社にて「余剰電力買取サービス」を提供しているので、売電先の選択肢は多種多様です。
また売電以外の選択肢として、発電した電力をより効率良く家庭で使用するために蓄電池を導入し、電気料金をさらに抑える試みをしている家庭も増加しました。
蓄電池を導入した場合、発電した電力を蓄電することで売電量は減少しますが、夕方以降も発電した電力で過ごせるようになり、電気代を削減することが可能です。
「FIT制度が終了した」と思われている方も多いかもしれませんが、結論から言えば、FIT制度は終了していません。
正確には、2019年から10年間の固定価格での売電期間が満了するご家庭が出てくるという意味なのです。
2009年11月に始まった住宅用太陽光発電の余剰電力買取制度には、10年間の期間が設けられていたので、2019年11月以降からはその10年間が満了するご家庭がでてきます。
このことを「FITが終了する」、「卒FIT」と表現したことで、FIT制度自体が無くなるという噂が広がってしまいました。
実際には今後もFIT制度は続きますし、卒FIT後も売電をして収入を得ることは可能なのでご安心ください。
ここからは、卒FIT後の選択肢とそれぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
上記の通り、卒FIT後からは電力の買取単価が大幅に下落するため、早急な検討が必要です。
そこで、卒FIT後の主な選択肢である「蓄電池の導入」・「おひさまエコキュートの導入」・「電気自動車とV2Hシステムの導入」に絞って解説していきます。
選択肢の1つ目は、蓄電池の導入です。
蓄電池とは、電気を蓄えられる機能を搭載した充電装置です。
近年では家庭用の蓄電池の開発が進んでおり、充放電性能や制御機能が優れているものや、小型で軽量化されたものなどが作られています。
また、蓄電池は災害時などに緊急用電源としても活躍するので、節電・省エネ目的以外の方にも注目されています。
ここからは、蓄電池と住宅用太陽光発電を導入し、自宅で発電した電力を自家消費するメリットをご紹介します。
まず1つ目が、電気代が安くなる可能性があることです。
太陽光発電で日中に発電した電力を蓄電池に貯められるため、余剰電力は蓄電池に残し、発電ができない夜間や早朝に蓄電池の電気を使用することで電気代を減らせます。
また、太陽光発電が自宅に無い場合でも、割安になりやすい夜間に電気を購入し蓄電池に貯めておくことで、ピーク時に消費する電気代を削減できます。
そして、2つ目のメリットは、災害時や停電時にも電気を使用できることです。
災害などで停電になった場合でも、蓄電池に貯めておいた電力があれば、緊急時の電力確保に困る心配がありません。
また、電力を夜間に使い切ってしまっても、太陽光発電があれば昼間に発電した電力を貯めておけるため、停電が長期化した場合でも大丈夫です。
3つ目のメリットは、売電単価が下がってしまっても自家消費できることです。
卒FITになり売電価格が大幅に下がった場合でも、発電した電力を売買するのではなく、貯めて自家消費することで、効率的に電気を使用できるようになります。
家庭内の家電製品をオール電化に変えている場合、光熱費の大半を住宅用太陽光発電で賄えれば、家計は少しでも楽になるはずです。
最後に4つ目のメリットは、電気自動車との相性が良いことです。
自家発電をした電力で電気自動車の燃料を賄えることができれば、100%エコなソーラーカーにすることも不可能ではありません。
また、太陽光発電・家庭用蓄電池・電気自動車の内蔵蓄電池を連携させた「トライブリッド蓄電システム」があれば、日中に電気自動車を使用しない人でも、電力を効率良く使用できます。
ここからは上記とは逆に、デメリットをご紹介します。
まず1つ目のデメリットは、使える電気量が限られることです。
蓄電池の容量次第で、蓄電して使用できる電気量は異なります。
また、当然使用した分だけ減ってしまうので、非常時に備えて常に蓄電しておく必要があります。
容量が大きい蓄電池もありますが、設備費用が格段に上がるため、日頃の電気使用量から逆算をして適切な容量を選びましょう。
2つ目のデメリットは、充放電の回数に限りがあることです。
蓄電池はスマートフォンなどのバッテリーと同様に、充放電を繰り返すことで、蓄電容量が徐々に減少します。
容量が減ったバッテリーは修理では直らないため、交換が必要になります。
メーカーによって保証期間や充放電回数の上限が異なるので、長期的に使用するには製品選びから入念に行うことが重要です。
3つ目のデメリットは、蓄電池の設置スペースが必要であることです。
近年ではリチウムバッテリーの小型化に伴って、蓄電池も小型になってきましたが、それでも蓄電池を設置するにはある程度のスペースが必要になります。
蓄電池の容量にもよりますが、設置場所は大型の空気清浄機が置けるくらいの広さで、高温にも低温にもなり過ぎず、結露もほぼ無い場所が最適です。
また、メーカーによっては屋内・屋外の条件もあるため、設備を選ぶ時には設置場所の条件も確認しておきましょう。
4つ目のデメリットは、初期費用がかかることです。
蓄電池は決して安価な買い物ではないため、費用面で導入を悩まれている方は多いでしょう。
費用の元が取れるのか不安な方は、オール電化やエコキュートなどの導入も踏まえて、専門業者に相談するのをおすすめします。
また、国や自治体の補助金を活用することで初期費用を大幅に削減することも可能です。
例えば、東京都の補助金であれば、100万円以上の補助金が交付されるケースも多くあります。
太陽光発電で発電した電力が安い金額でしか買い取ってもらえない場合、売電するよりも家庭内で有効的に電力を使用する方がお得になる場合があります。
そこでおすすめなのが、「おひさまエコキュート」を導入することです。
おひさまエコキュートとは、太陽光発電の電力を利用して、日中にお湯を沸かせる給湯器です。
一般的なエコキュートは、電気代が比較的安い夜間に電気を利用して、お得にお湯を沸かします。
これに対しておひさまエコキュートは、太陽光発電で発電させた電力を使用して日中にお湯を沸かすので、省エネ性が非常に高く、電力を無駄なく効率的に使用できます。
実は、おひさまエコキュートは2022年に登場したばかりの設備です。
一般的なエコキュートのタンク容量が200〜550ℓ以上と幅広いのに対し、おひさまエコキュートはどのメーカーも370ℓか460ℓの2種類しかありません。
保温や湯はりなどをフルオートで行える設備が売れ筋です。
ここからは、「おひさまエコキュート」のメリットをいくつかご紹介します。
1つ目のメリットは、太陽光発電の発電した電力でお湯を沸かすことで自家消費を増やせることです。
おひさまエコキュートは太陽光発電の電気でお湯を沸かすので、自家消費電力量を増加させることが可能です。
卒FITによって売電単価が下落しているタイミングでは、発電した電力を売電するよりも、自宅で使用した方がお得になる時代になっています。
電気代の高騰で家計が悲鳴を上げている声も多いですが、おひさまエコキュートを導入すれば光熱費を抑えるのに役立ちます。
2つ目のメリットは、災害などによる断水時にも水を確保できることです。
そもそもエコキュートは貯湯式の給湯機であるため、災害などで断水した場合には、貯湯タンク内のお湯や水を生活用水として利用できます。
タンクは370〜460ℓ程度あるため、数日間分の生活用水は確保できます。
3つ目のメリットは、省エネで環境保全に貢献できることです。
エコキュートは空気の熱を利用してお湯を沸かしますが、おひさまエコキュートのように日中にお湯を沸かせば、夜間よりも暖かい空気で沸かせるため、ポンプの効率が上がります。
効率が上がると、一般的なエコキュートよりも約6〜9%省エネ性能が向上するので、非常にエコロジーな設備です。
4つ目のメリットは、おひさまエコキュート専用のオトクな電気料金プランがあることです。
例えば東京電力エナジーパートナーの場合、太陽光発電とおひさまエコキュートの両方を使用しているご家庭を対象に「くらし上手」というプランが用意されています。
適切なプランに加入していれば、さらに設備の恩恵を受けることができるでしょう。
メリットがある一方で、おひさまエコキュートにはデメリットもいくつかあります。
1つ目のデメリットは、おひさまエコキュートを最大限活用するには太陽光発電を導入する必要があることです。
太陽光発電が無くてもおひさまエコキュートを使用することは可能ですが、その使い方は通常のエコキュートと同じように、夜間の電力でお湯を沸かす使い方になります。
そのため、太陽光発電をまだ導入していない場合は、おひさまエコキュートと合わせて導入する必要があり、初期費用が想定よりも高くなる可能性があります。
しかし、すでに太陽光発電を設置している家庭の場合は、おひさまエコキュートの導入だけで問題ないため、一般的なエコキュートの導入費用と然程変わらないでしょう。
2つ目のデメリットは、おひさまエコキュート専用のお得な電気料金プランは、利用できる地域が限られていることです。
専用のお得な電気料金プランは、現状ではまだ普及が少なく、利用できる地域は少ないです。
例えば、東京電力エナジーパートナーの「くらし上手」の場合、関東エリアのみを対象としています。
つまり、自宅の場所によってはこのプランに加入できない場合もあります。
関西電力では「くらし上手」にあたるプランがまだ用意されていないため、従量電灯Aに加入するのが経済的だと言われています。
3つ目のデメリットは、天候によっては太陽光発電でお湯を沸かせない日もあることです。
太陽光発電が機能しない雨天の日などは、電力会社から購入した電力でお湯を沸かすことになります。
もちろん雨天でもお湯は使用できますが、天候次第では太陽光発電が機能しないことも把握しておきましょう。
卒FIT後には、電気自動車とV2Hシステムを導入するのもおすすめです。
V2H(Vehicle to Home)システムを導入すると、電気自動車やプラグインハイブリッド車の電力を住宅に供給することができます。
そのため、電気自動車が走行していない時間も、バッテリーに蓄えられている電力を効率的に利用可能です。
V2Hを導入するには、システム本体代・工事費・分電盤の増設・電気配線の引き直しなどの費用がかかります。
そのため、メーカーや機種によっても変動はありますが、一般的には100〜200万円程度の費用が必要です。
V2Hの導入に関しては、国や地方自治体から補助金を得ることもでき、2024年度の国の補助金では最大45万円の補助金が交付されています。
また、V2Hとは別に電気自動車の購入にも補助金を利用でき、2024年の国の補助金ではEVで最大85万円、軽EVにも最大55万円に補助が交付されています。
ここからは、電気自動車とV2Hシステムを導入するメリットをご紹介します。
V2Hを導入する1つ目のメリットは、停電時の非常用電源として電気自動車を活用できることです。
V2Hと電気自動車の両方があれば、災害時に非常用の電源として利用することができます。
日本は特に自然災害が多い国であるため、このような非常用の電源は重宝されています。
また、近年では通常時でも電力逼迫に伴う計画停電が実施されることもありますが、その場合でも電気自動車に蓄電した電力が満タンであれば、数日間は普通に生活を送ることが可能です。
2つ目のメリットは、電気代を節約できることです。
電気自動車とV2Hがあれば、夜間の比較的安価な電力を充電し、日中にはその電力を放電できるため、電気代を削減できる可能性があります。
近年では電気代が高騰しているため、V2Hには非常に期待が集まっています。
また、太陽光発電も導入していれば、日中に使い切れなかった電力を電気自動車に充電しておくことも可能です。
そのため、太陽光発電が機能しない天候の時に、充電しておいた電力を活用することもできます。
これらのようにV2Hと電気自動車、さらに太陽光発電を上手く活用できれば、電気代を節約することができるでしょう。
3つ目のメリットは、充電スピードが速いことです。
V2Hは普通の充電器よりも充電スピードが速く、短時間で電気自動車に充電できます。
設備によっては充電時間が約半分になることもあり、普通充電器で約16時間かかる充電の場合は、V2Hであれば約8時間に短縮されます。
つまり、夕方に帰宅して電気自動車を充電し始めれば、翌朝にはフル充電の状態で電気自動車を使用することができるのです。
メリットがある一方で、電気自動車とV2Hシステムの導入にはデメリットもあります。
1つ目のデメリットは、導入に必要な初期費用が高いことです。
V2Hを導入するには、電気自動車の購入の他に、本体機器・パワーコンディショナー・工事費などの費用も込みで数百万円が必要になります。
国や地方自治体からの補助金もありますが、それなりの費用が必要になることは間違いありません。
2つ目のデメリットは、V2Hの設置場所が限られることです。
V2H機器は、自宅と隣接しており、さらに車両と接続できるような場所に設置する必要があります。
ガレージ・駐車場が狭いと駐車スペースが足りなくなる可能性もあるので、事前に設置場所を計測し、設置可能か確認をしておきましょう。
充電ケーブルと機器本体が別れたセパレートタイプを選べば、ある程度は自由に設置場所を選択できます。
V2Hの設置を検討している場合は、設置スペースや充電ケーブルの長さなどを確認しておきましょう。
3つ目のデメリットは、V2Hだけでは発電や蓄電ができないことです。
V2Hを活用するためには太陽光発電や電気自動車も同時に所有している必要があります。
そのため、V2Hだけで発電したり、蓄電できると考えている方は注意が必要です。
必要費用にも直結する話なので、事前に確認をしておきましょう。
結論としては、家庭用太陽光発電の卒FIT後には自家消費比率を上げて、電気代を削減するのがおすすめです。
予算に余裕があれば蓄電池・電気自動車・V2Hなども導入し、家庭用太陽光発電で得た電力だけで生活を営むことができれば、電気代は大幅に削減可能です。
卒FITによって電気代からの収入は減りますが、その分電気代を節約できれば、家庭内の収支には大きな影響は出ないでしょう。
また、蓄電池やV2Hの導入に際して国や自治体の補助金も得られれば、初期費用の負担も少なく導入することができるはずです。
卒FIT後の不安を抱えている方は、ぜひ蓄電池やV2Hを導入して自家消費比率を上げることをご検討ください。
エコ電気サービスでは、蓄電池はもちろん、取り扱いのある太陽光発電やV2Hシステムなど、全ての商品を適正価格でご案内することをお約束しています。
まだ蓄電池のメーカーなどがお決まりでない場合、専任の担当者が一緒にメーカーを選定しますので、ご安心ください。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。