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現代社会において、自動車は移動手段として必要不可欠な存在です。
個人単位で利用できる移動手段の中で最も汎用性の高いものであり、交通手段が充実していないエリアでも自動車があることで日常生活を便利にしてくれます。
また、自動車は個人だけでなく公共交通手段として、あるいはさまざまな品物を運搬する流通の要として、社会全体を支える役割を担っています。
他にも昨今はAIを導入した自動運転など、多種多様な分野と共に進歩している存在といえるでしょう。
そんな現代社会に欠かせない自動車において、新たな技術として登場しているものが電気自動車です。
日本では、今のところ電気自動車はまだそれほど普及が進んでいませんが、特にヨーロッパでは積極的な普及が進められており、実際にディーゼル車を越えるシェアを獲得しています。
電気自動車は従来のガソリンで走る自動車とは異なる仕組みの車であり、運用していくためにはその特徴やメリット・デメリットなどを事前に把握しておくことが大切です。
そこで今回の記事では、電気自動車についてさまざまな情報をご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてください。
電気自動車とはその名の通り、電気を原動力として走る自動車のことです。
脱炭素、カーボンニュートラルという言葉が脚光を浴びているように、近年では持続可能な開発目標、SDGsの観点のもとでガソリンを使用した自動車の利用を見直そうという動きが世界における1つの大きな潮流となっています。
しかし、自動車がなければ、現代社会の在り方を維持していくことはできません。
そこで現行の自動車の代替として登場したのが電気自動車であり、運用することで多くの利点があると注目されています。
電気自動車の特徴や種類、その他の情報について詳しく見ていきましょう。
電気自動車とは従来のガソリン車と違い、バッテリーに電気を蓄えて、その電力を消費することでモーターを駆動させて走行する自動車です。
従来のガソリン車とは異なり、走行にレギュラーガソリンやハイオクガソリンなどのいずれも用いられることはありません。
ガソリン車のエンジンにあたる役割をモーターが担い、ガソリンは電気、ガソリンタンクは電池が代わって担う自動車と考えると良いでしょう。
電気自動車はガソリンを使用しないため、その走行中にガソリンスタンドで給油を行う場面はありません。
代わりに自宅に設置した充電用コンセント、もしくは街中に設置されたEV充電スタンドと呼ばれる設備において、給油の代わりに充電を行うことになります。
電気自動車はEVやEV車などと呼ばれることもあり、これはElectric Vehicle(エレクトリック・ビークル)を略した言葉で、電動車両という意味になっています。
この中にはさらに細かな区分が存在しており、電気自動車についてより正確に知るためにはいくつかの区分を正しく把握しておくことが大切です。
大きな括りではEVに分類される車でも、より細分化された区分で見ると実際の運用は異なります。
ここからは、電気自動車に乗ることを検討されている方へ向けて、区分を以下でご紹介させていただきます。
BEVとはBattery Electric Vehicle(バッテリー・エレクトリック・ビークル)の略称です。
ガソリンを使用せずに電気のみで走る車であり、エンジンは搭載されておらず、バッテリーの電力によってモーターを動かすという点はEVの代表的な仕様通りとなっています。
BEVは走行中にガスを排出しないことから、一般的なガソリン車に備えられているマフラーなどが存在していません。
また、エンジンがないことから、エンジンオイルの交換などを行う必要もなく、シンプルな構造ゆえに不具合のリスクが小さく、メンテナンスなどのコストを安価に抑えやすくなっています。
ただし、ガソリン車や以下で挙げていくその他のEV車に比べると航続可能距離が短いという特徴も持っており、充電はこまめに行わなければなりません。
昔に比べると街中で利用できるEV充電スタンドの数も増えましたが、その数には地域差があるため、あらかじめ位置をある程度把握した上で走行することが重要になってきます。
PHEV はPlug-in Hybrid Electric Vehicle(プラグイン・ハイブリッド・エレクトリック・ビークル)を略した名称です。
こちらはエンジンとモーターの両方を備え、電気とガソリンの両方を使い分けながら走行できるハイブリッド車に、さらに外部電源を使って充電するためのプラグを備えた車です。
先ほどご紹介させていただいたBEVは充電が切れてしまうと走行できなくなってしまうことが特徴でしたが、比べてHEVは充電が切れた際には給油しておいたガソリンを利用して走行することができるため、立ち往生してしまうリスクが大幅に軽減されています。
そしてPHEVにはHEVに加えてプラグが備えられていることから、外部電源を利用してコンセントにプラグを指し、充電を行えるようになっています。
登場した年代がEVの中では新しく、バッテリー自体の容量も従来のEVに比べて大容量となっており、電気だけで長距離の走行を行えることをコンセプトに開発されたEV車です。
FCEVと はFuel Cell Electric Vehicle(フューエル・セル・エレクトリック・ビークル)の略称であり、ここまでに挙げてきたEVとは大きく異なる性質を持っています。
FCEVは水素を燃料として走るEVであり、搭載されている燃料電池を用い、水素と酸素によって電気を発生させるのが特徴です。
その走行に当たって二酸化炭素は一切排出されず、もちろんガソリンも使用しないため、極めて環境に対する影響が軽微な車両となっています。
走行性能も高く、ガソリン車と同等の距離を走ることができる上に、充電に時間がかかるという欠点があった従来のEV車と違って燃料の充填には3分程度しか要しません。
まだ新しい技術であることから車種が少なく、車両そのものの本体価格が高額であり、燃料を補給できる水素ステーションの数もまだ少なく、その増設にも時間がかかると見込まれているため、実際の導入にはさまざまな難点が存在しています。
しかし、多くの自動車メーカーからの注目が集まっており、今後飛躍的な発展を遂げていく分野ではないかと注目されている車種です。
電気自動車とガソリン車は、それぞれ電力とガソリンというまったく異なる動力源によって走行します。
そのため、自動車としての構造も大きく異なっており、同じ自動車という括りではありますが、基本的には別物になると言えるでしょう。
上の項目で個別に挙げた特徴のほか、電気自動車はガソリン車と違って走行時にエンジンの駆動音などがしない点も大きな特徴となっています。
ガソリン車から電気自動車に乗り換える際には、周辺の歩行者などが車が近付いてきていることに気付いていないという危険性に配慮しながら運転することが重要になります。
安全に車を利用していくためには、ガソリン車との違いをしっかりと理解しておきましょう。
電気自動車とガソリン車、両方の特性を併せ持っているのがハイブリッド車の特徴です。
その仕組みには複数の種類がありますが、完全に電気を使い終えた時点でガソリンに切り替わるというものではなく、低速時には電気、走行速度が上がるとガソリンを使用して走るというパターンが多く用いられています。
この仕組みは燃費の向上に大きく役立ち、走行距離を伸ばしやすく、CO2の排出量も軽減することが可能となります。
具体的な車種としては、非常に多くの台数が普及しているプリウスなどもハイブリッド車であり、1つのスタンダードとして広く利用されている種類と言えるでしょう。
2種類の車の長所を併用することができ、地域のEVスタンドの事情などを問わず運用しやすくなっています。
従来の自動車に代わる存在として電気自動車が注目を集めているのは、どのようなメリットに基づいているのでしょうか。
電気自動車について詳しく知るためには、まずメリット面をしっかりと詳しく把握しておくことが大切です。
電気自動車を導入するメリットをいくつかピックアップいたしましたので、順にチェックしていきましょう。
電気自動車を利用していくことの社会的なメリットとして挙げられるのが、CO2の排出量を大幅に削減できるということです。
CO2とは二酸化炭素のことで、いわゆる温室効果ガスと呼ばれるガスの代表であり、これは大気などに影響を与えて、地球全体を温室のような状態にしてしまい温度を高めてしまうガスのことを指しています。
近年、温暖化と絡めて問題視されている温室効果ガスの中には人間の活動によって排出されるものも多く、特に二酸化炭素はさまざまな原因によって排出されることから、強く問題視される存在となっています。
二酸化炭素は人や多くの動物の呼吸によって排出されるだけでなく、産業における燃料の燃焼や、森林の伐採の影響など、さまざまな理由によって増えていく存在です。
そのため、二酸化炭素をゼロにすることはできませんが、量の削減には常に意識を向けていかなければなりません。
そこで重要なファクターとなるのが、自動車がガソリンを使って走ることで排出される大量の二酸化炭素の削減です。
誤解されがちですが、電気自動車を使っていることで二酸化炭素の排出量がゼロになるわけではありません。
むしろ、製造の工程においては電気自動車の方が多くの二酸化炭素を排出してしまうというデータもあり、ガソリン自動車と電気自動車の二酸化排出量を比較するためには、ライフサイクルアセスメントという長期的な視野での比較が必要になってきます。
ライフサイクルアセスメントの観点で両者を比較すると、二酸化炭素排出量は2万キロ走行時点で電気自動車がガソリン自動車を下回ります。
現代における自動車の寿命が走行距離10万~15万キロだとされていることを踏まえると、電気自動車の二酸化炭素排出量はガソリン自動車のそれを大きく下回っていると言えるでしょう。
電気自動車は走行時にエンジンを使用しないことから、走行音や振動が非常に少なくなっています。
従来のガソリン車では、エンジンのシリンダー内で燃料と空気を混ぜたものを燃焼させ、そのエネルギーによってギヤを回すことで動力を得ていました。
エンジン内で燃焼、爆発が常に起きていることから本来であれば非常に大きな音がしているのですが、その音をマフラーによって抑えているのがガソリン車の構造です。
マフラーによってある程度の抑制はされているとはいえ、比較するとエンジンそのものがない電気自動車の走行音は非常に微小なものとなっています。
振動も少ないことから、助手席や後部座席の快適さも大きく増しており、電気自動車はお子様やご高齢の方を乗せるファミリーカーとしての利用する際も最適です。
このような背景からも、さまざまなシチュエーションにおいて利用しやすく、汎用性が高い車と言えるでしょう。
上でご紹介したようにEVには複数の種類がありますが、その中でもBEVは特にコストを抑えながら利用していきやすい車両となっています。
購入・譲渡などで自動車を新たに所持する際は、環境性能割という税金を納付する必要がありますが、環境負荷が小さい車ほど納付しなければならない額が小さくなります。
BEVは2024年現在、この税金が非課税となっており、費用面で大きく優遇されているのが特徴です。
電気自動車の導入が推進される世界的な風潮を鑑みると、今後も税金などに関するコスト面の優位性は維持されていくのではないかと考えられます。
また、ここ数年は世界情勢の影響などを受けてガソリンが高騰しており、ガソリン代そのものに加えてガソリン税なども車を利用する上で悩ましい点となっていますが、BEVであればガソリンの価格に関する心配もありません。
利用していく上でのコストが安価である点は、大きな強みと言えるでしょう。
電気自動車は自動車としての性能だけでなく、蓄電可能なバッテリーを備えていること自体も大きなメリットとなっています。
電気自動車のバッテリーは一方的に充電するだけでなく、そこに充電されている電力を運転以外の他の用途に使用することも可能なのが特徴です。
例えば、災害によって電力供給がストップしてしまった際、電気自動車に貯められている電力を使用して、家の照明や家電類などを動かすことが可能となっています。
日本は世界でも有数の災害大国であり、いつどこの地方を災害が襲うかわかりません。
そのような災害への備えの1つとして、電気自動車の保有は大きな役割を果たしてくれるでしょう。
また、非常時以外でもオートキャンプなどのアウトドア時に電源として利用できるのも電気自動車の魅力です。
屋外で気兼ねなく電気を利用できるため、アウトドアの過ごし方の可能性を大きく広げてくれると言えるでしょう。
ここまでは電気自動車のメリットについてご紹介させていただきましたが、もちろん電気自動車にはメリットだけがあるわけではありません。
電気自動車はまだ登場からの年月が浅く、解決されていないデメリットもいくつか存在しています。
電気自動車の購入を検討する際は無闇に購入を決めるのではなく、事前にデメリットについても把握し、メリットと天秤にかけて納得した上で利用していくことが大切です。
以下で電気自動車の運用におけるさまざまなデメリットをご紹介いたしますので、細かくチェックしていきましょう。
電気自動車のデメリットとしてまず挙げられることが、車両価格が高額であるという点です。
ガソリン車に比べて普及が進んでおらず、新たな技術が搭載された車であることから、比較してサイズや装備など条件の近い車両でも価格が高額になりがちな傾向にあります。
一般的に車は安価ではないですが、電気自動車は購入時の初期費用がより大きなネックになると言えるでしょう。
電気自動車を動かすためには充電をする必要がありますが、そのための充電スポットはまだ十分な数を用意されているとは言い難い状況です。
都心部などには充電スポットが揃っていても、地方に行くと充電スポットの数が少なくなり、電力供給を受けられなくなってしまうケースも少なくありません。
しかし、充電スポットの数は純粋な増加傾向というわけでもなく、メンテナンスと維持費の問題から、設置されていたスポットが撤去されてしまったケースも見受けられます。
電気自動車が広く用いられているドイツでは、ガソリンスタンドに充電スポットが設置されることで普及が促進されました。
電気自動車を安定して運用するためには、今後の充電スポットの推移も重要なポイントになってくるでしょう。
参考:Presse- und Informationsamt der Bundesregierung(連邦政府報道情報局)「Mehr Ladepunkte für E-Autos an Tankstellen | Bundesregierung」
電気自動車の利用時にネックとなるのが、充電に数時間が必要になるという点です。
急速充電が可能な車種であれば短時間である程度の充電を行うことが可能になりますが、急速充電スポットは30分までしか使用できないため、不十分にしか充電できない場合も出てきます。
また、車体の温度などにも充電速度は影響を受けるため、常にベストな状態での充電が行えるとは限りません。
充電中の行動に大きく制約がかけられてしまうため、特に長距離での外出時には充電にかかる時間を組み入れたスケジュールを組まなければならないことがデメリットになると言えるでしょう。
充電に関する取り回しの悪さは、総じて電気自動車のデメリットとなっています。
上で挙げたEVの種類の1つであるBEVは、コスト面に大きな強みを持っている代わりに、航続距離が短くなっています。
容量などの問題によって長距離の運転が難しいため、その用途は基本的に近隣での運転に限られてしまうでしょう。
長距離の移動にBEVを利用しようとすると、細かく充電に関する計画を立てなければならず、充電にかかる時間も織り込まなければならないため、不便さを感じる場面も出てきてしまうかもしれません。
BEVを購入する際は、想定している用途と航続距離を照らし合わせた上で、十分な性能が得られるかどうかを入念に検討するようにしましょう。
電気自動車が普及し始めた当初はあまり注目されていなかったデメリットとして挙げられるのが、タイヤ交換のサイクルがとても早いという点です。
これは電気自動車がガソリン車と比べて加減速の緩急が大きくなりやすいことに由来しているのではないかと言われており、メディアによっては4倍から5倍の速度でタイヤが摩耗してしまうという情報も存在します。
なお、この数値は正式な調査に基づいたものではなく、両者のタイヤの減りの差はもう少しゆるやかなものだという調査もあります。
しかし、タイヤ交換のサイクルが早いこと自体は多くのデータによって示されており、電気自動車の利用を検討している場合は、このような情報を事前に知っておく必要があります。
これらを踏まえても総合的なコスト面での優位性はありますが、タイヤ交換自体の手間をどのように考えるかは、導入の可否に大きく影響してくるでしょう。
今回は「電気自動車」について、さまざまな情報をご紹介いたしました。
電気自動車は新たな技術として注目を集めている存在であり、今後の社会においてより大きな存在感を発揮していくでしょう。
電気自動車のメリットやデメリットをご紹介させていただきましたが、マイナス点を踏まえても、SDGsの風潮に合致しているという点は非常に大きな強みと言えます。
世界的な注目が集まっていることから、今後も積極的な技術開発が進められていくことが予想され、現時点で挙げられる問題点なども随時解消されていく可能性も大いに考えられます。
また、税金面の優遇なども存在しているため、すぐに購入する予定はないという方でも、常に電気自動車の動向に目を向けておくと良いかもしれません。
今回の記事が電気自動車への知識を深めていただく材料になれば幸いです。